ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

個人的な行為とはいえ

野村証券インサイダー事件で気になることがありました。
以下は日経の22日夕刊です。

「会社として誠に遺憾」・野村、インサイダー疑惑でコメント
 野村ホールディングスは22日、傘下の野村証券の社員にインサイダー取引の疑いが出たことに関して、「グループの海外法人に勤務する外国人社員に対し、証券取引等監視委員会の任意調査が行われているのは事実。個人的な行為とはいえ、会社としても誠に遺憾。当局の調査には全面的に協力していく」とのコメントを発表した。 (09:31)

22日夜の社長会見でも同じようなことを言っていたかと思いますが、「個人的な行為とはいえ」というくだりは違和感があります。業務で知りえた情報を悪用しているからインサイダー取引なのであって、従業員が業務の中でやっていることを「個人的な行為」と表現するのは理解できません。
電車で従業員が痴漢をはたらいたのなら、その言い方でも通るでしょう。
でも、今回は業務に関することです。痴漢行為なら、そこまで従業員を会社が管理監督することは難しいかもしれませんが、このケースでは当然ながら、つまるところ社の管理体制が問われているのです。そこから逃げようとしているような感じがしてなりません。
おそらく「組織犯罪じゃないんだよ」といいたいがための表現なのでしょう。もし組織犯罪だったら大変なことでしょうし、仮に会社ぐるみだったとしても会社が自ら明らかにするわけはないのですから、「個人的な行為」というのはエクスキューズとしてもあまり意味がないような気がします。
この言い方は従業員が不祥事を起こしたときの企業のコメントとして、スタンダードなのでしょうか。不祥事の際の報道対応は危機管理面から非常に重要です。野村証券は対応を誤ったのではないかと感じます。