ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

昔の名前で・・それはやっぱ無理

妻にとって、別れたダンナの姓を名乗り続けるというのは、本来は屈辱以外の何物でもないはずです。
しかし、この人の場合は旧姓に戻せない理由もあるんだろうなと想像します。
嘉田由紀子滋賀県知事が離婚を発表しました。
http://www.asahi.com/national/update/0513/OSK200805130064.html
こういった公職者が離婚を公表するのはあんまり聞いたことないような気もします。各紙で別れたダンナが匿名、実名で分かれたのも興味深いのですが、このあたりはまあどうでもいいでしょう。
嘉田氏は今後も別れたダンナの姓で知事として活動していくらしいです。推測するに、以下の理由が考えられるのではないかと思います。
ひとつは知事としてです。仮に旧姓に戻せば、県の公文書、説明パンフレットなどあらゆる書面を訂正していかねばなりません。本人もカッコ悪いでしょうけど、県としても体面がよくない。その訂正にかかる費用は莫大でしょう。経費削減を知事が先頭に立って進めている滋賀県です。知事自身が経費増の原因になるわけにはいきません。
もう一点は、政治家としてです。
言うまでもなく、政治家は名前と顔がセットになってナンボです。
4年に一度、選挙の洗礼を受けるからです。
選挙では、有権者に顔と名前を覚えてもらい、投票日に投票所まで足を運んでもらって、自分の名前を書いて投票してもらわないと、1票にはなりません。顔と名前がセットになっているということは、政治家にとって最大の財産といっていいでしょう。
しかも嘉田氏は現職です。知事としての公務を通じてこれまで日々、有権者に顔と名前を覚えてもらってきました。これは現職の役得であり、次期知事選において、対抗馬に対する大きなアドバンテージとなります。
そのアドバンテージは、もし旧姓に戻せば、いくらかロスすることになってしまいます。これは非常に痛いはずです。選挙でのロスという点では、現職としての失政と同じ意味合いかもしれません。
それどころか、もし旧姓に戻せば、「再選出馬しないということかな」と、ウラ読みが好きな政界関係者の憶測を呼ぶ可能性すら出てきてしまいます。今後、政治的にフリーハンドでなくなる方向に自ら動いてしまうわけで、嘉田氏の政治活動にあんまりプラスになるとは思えません。
以上のようなことから、嘉田姓を名乗り続けるのではないかと。現時点では、(あたりまえですけど)嘉田氏は再選出馬に意欲あり、ということなのかなと考えています。邪推だといわれれば返す言葉はないのですが。