ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

タテから見るか、ヨコから見るか グーグルストリートビュー

フツーはヨコから見るところをタテからみてみたら面白がられたと。しかし、それがフツーになってきたから、ふたたびヨコからみてみたら新鮮で、また面白がられている−。国内でサービスを開始したグーグルストリートビューが話題になっています。なかなかよく考えられたサービスだと思います。
ふだん街を歩いたり、車に乗ったりした場合の視線はヨコ方向が原則です。高層ビルの真下にきたときは上を見上げたりもするが、原則、自分の目の高さで見えるものや光景を目にしています。
でもそれでは目にしにくいものも出てくるでしょう。たとえば高い塀の内側は人間の目線では見えにくい。中をうかがおうとしてもしにくい。塀に覆われた軍隊の基地なんかがそれにあたるかもしれません。
じゃあ、どうやってみればいいかということで出てきたのが、タテ(上)からの視線でしょう。鳥になれば高い塀の内側を上空からうかがうことができます。外からは見られない豪邸や軍事基地の様子も一目瞭然です。
他方、こういうこともいえるでしょう。紙の地図で見るのと同じような海岸線や市街地の地形が飛行機の窓から見えて感激したことはないでしょうか。地図に鳥の目線の写真を重ね合わせる。これがグーグルマップの面白さでした。
タテ目線は人間の日常生活では実現不可能です。ふだんはみられないのだからグーグルマップは新鮮です。でもずっと使っていれば利用者にとってはそれもあたりまえになってきます。
それと同時に利用者はこう思いいたるようになったのではないでしょうか。「上からみるとこんな感じだけど、地面におりてみたらどうなるのかな」と。そうしてストリートビューがうまれてきたのではないかと思います。
視点をかえてみることであらたな価値を生み出したということでしょう。こういったグーグルの発想は、いろいろな分野に応用できそうな気がします。
ただ、単に視線をかえただけではないところがキモだと思います。グーグルマップに掲載されている人工衛星の画像は、いまや比較的簡単に入手できます。対してストリートビューはあくまで「人力」による取材が必要です。ストリートビューはたしかにおもしろい。そのおもしろさをつくり出すためには膨大な手間ひまがかかっているということかもしれません。
もう1点。グーグルマップがおもしろかったから、その発展形としてストリートビューも出てきたのではないかということです。タテ目線が前提としてあるからヨコ目線も成立する。こうやってサービスを派生、発展させていくところが興味深いです。
もちろん、グーグルストリートビューに関してはプライバシーなどさまざまな問題が指摘されています。問題点の指摘に関しては、以下の産経新聞がよくまとまっていると思います。ご参考まで。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080806-00000924-san-soci