ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

ふるさと納税 意味不明

地味な話題で恐縮です。お隣の滋賀県関係です。記事の中の県のコメントがいまいち不可解・・。

滋賀県の「ふるさと納税」の寄付額が、ほかの近畿府県と比べて低調だ。京阪神のベッドタウンで、県外からの流入人口が多いことが寄付が伸びない要因にもなっている。県は10月に寄付条例を制定する方針で、寄付を増やしたい考えだ。

18日現在の県の寄付額(見込み含む)は64万円。伸び悩む要因について、県は「流入人口に比べ県外に出る人が少なく、寄付してくれる対象者が他府県より少ない」と話す。

滋賀64万円、寄付額低調 ふるさと納税 県外から流入人口多く(8月18日の京都新聞朝刊)

ふるさと納税とは、県外に出た人がふるさとに寄付するというやつです。さいきん各自治体で流行しています。

それにしても記事でよくわからないのは、寄付が低調な理由を「流入人口に比べ県外に出る人が少なく、寄付してくれる対象者が他府県より少ない」からとした県のコメントです。コメントでは県外に出た人を寄付してくれる対象者としていますが、この場合、寄付してくれる対象者の数は絶対数でみて多いか少ないかが問題なのであって、流入人口との差し引きは本来関係ないはずです。

県の説明に引きずられる形で京都新聞も「県外からの流入人口が多いことが寄付が伸びない要因にもなっている」と書いています。「県外に出る人が少ない」というのなら理屈は通るんですがねえ。

また記事の最後のほうでは「流入人口が多い滋賀県からみると、他府県への寄付の増加は、滋賀県の住民税税収の減少につながる可能性もある」と書いています。それはたしかにそうでしょう。でも、それと滋賀県の「ふるさと納税」が低調だというのは、別の話です。

ところで、なぜ各自治体はふるさと納税に熱心なのでしょう。財政赤字が進むなかで、伸び悩む税収を補う、という意味があるのでしょう。でも実際の寄付額は滋賀県が64万円、京都府が50万円と微々たるものです。

これは本気で集めようと思っているのではなく、すごい資産家から高額の寄付があった場合に備えた受け皿づくりなのではないかと私は考えています。PRを行っているのも、薄く広く集めようとするのでなく、特定の資産家の耳に自然と入るように仕向けているんじゃないのかなあと。

まあ、宝くじを当てようとするのにどこか似てますね。やってる当の自治体もあんまり本気に考えているわけではないような気がします。

追記

流入人口が多いのはたしかです。くわしくは以下の拙エントリーをごらんください。

140万人は超えたけど