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祝ご就任 京大新総長

過去エントリー(京大総長選 その意味するもの)が息の長いアクセスをいただいているようですが、その松本総長(毎日新聞は表記が学長)が1日に就任しました。

1日付で就任した京都大の松本紘学長(65)は2日、会見を開いた。教員と職員の対等な協力関係を築くことなどを課題に挙げ、「魅力、活力、実力ある大学として大きな飛躍を遂げたい」と抱負を語った。

京大:松本新学長が抱負 「大きな飛躍遂げたい」(毎日新聞)
就任会見は各紙とも似たような感じですが、まとまった分量でいい記事だと思ったのが、9月30日の日経朝刊のインタビューです。経済という切り口があるのでわかりやすい。松本氏の考え方がよく出ているような気がします。以下、気になった部分を抜粋してみます。

学部自治ももちろん大事だが、私は個々の研究者の自由が優先すると思う。

学部自治のために個々の研究者の自由が阻害されているような現状があり、それを憂いているように読めるのですが。個々の研究者の自由を確保するためには、大学当局の「統治」が必要だということでしょうか。うがちすぎかな。

教員が研究や教育に割ける時間を増やすことが最も重要だ。

これはおっしゃる通りかなと思います。そして具体的な対策として以下を提唱しています。

研究支援員のような教員と職員の中間職種の育成を考えている。

趣旨は非常に素晴らしい。ただ、その資金はどうするのかという問題は残ります。そしてこうも言われます。

学内資金を京大の使命である基礎研究に振り向ける仕組みをより充実させる。

さすがに記者からも「その原資は(どうするのか)」とのツッコミが出ます。それにはこう答えています。

競争的資金の間接経費であり、寄付金だ。

寄付の大きな出所は企業だと思いますが、基礎研究に対しては企業もシブいのではないかと。そのうえ、この経済状況ですから、なかなか難しいと思います。基礎研究中心でどうやって寄付を募っていくのか、その戦略もぜひ突っ込んでほしかったと思います。
京大の寄付に関してはなんだかアヤシイ話もあるようです。
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学内向けに「自学自習」などの伝統を強調する一方で、一味違う印象も受けます。松本氏には、ぜひ頑張っていただきたいと思います。