ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

通貨危機?と修学旅行

急激な円高ウォン安で「いま韓国へ旅行すればお得だな」などとつらつら考えていろいろ検索していたら、以下のような記事をみつけました。

意図的な報道か、でなければ誤報なのか。韓国金融市場の状況を報じる外国メディアが注目されている。外国メディアは事実を正確に把握せずに拡大して歪曲したか、事実とは反する内容を報じることが多いというのが政府の判断だ。

問題になった報道は、米国ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の電子版だ。WSJは24日、「国際通貨基金IMF)が経済の基礎体力は優れているが、短期流動性に問題のある国に資金を支援する計画を推進している」とし「IMFは支援対象国としてメキシコ、ブラジル、東ヨーロッパ諸国とともに韓国を念頭に置いている」と報じた。誰がこのような話をしたのかを明確にせず、IMFの高官から聞いたように表現している。

これに対し、韓国政府は強く反論している。企画財政部・国際金融局の崔鍾球(チェ・チョング)局長は「韓国は外貨準備高が十分にあるため、IMFにこのような支援を要請する理由がない」と、きっぱり話す。9月末の外貨準備高は2397億ドルにのぼる。今年に入ってウォン安を防ぐために使ったために226億ドルが減少したが、外貨準備高は世界6位だ。

韓国がまたIMFの支援を受ける?(中央日報)

外国メディアが韓国の通貨危機を煽っているとして韓国政府が神経をとがらせているようです。

韓国政府は火消しに躍起ですが、中央日報の社説はこう述べています。

1つ目。最も警戒すべき対象は国の倒産だ。海外資本の引き上げが収まるときまで市場にむやみに介入することは危険なことだ。また政府は最悪の状況に備え、日本との金融外交を強化する必要があるとみる。現在日本は円資金の急速な還流による1人勝ちの円高に悩んでいる。輸出競争力に対する懸念で日経指数は急落している。したがって国内の流動性を押し出さねばならない日本と、外貨補充が切実な韓国が手を取り合う余地は開かれているとみる。

【社説】恐怖心と過剰な防御、すべてが禁物だ

外貨準備高は十分なのか、補充が切実なのかどっちなのでしょう。もしかしてヒントはこれなのかな。

最近、香港メディアには韓国経済危機の関連記事がよく出る。その中には正確でない内容も少なくない。最近は有力紙の「明報」や「文匯報」が「韓国経済危機」記事を載せ、韓国経済危機論を初めて取り上げた英フィナンシャルタイムズなど主要外国記事をそのまま引用した。

韓国は外貨準備高が2000億ドルを超えるが、実際に使用可能な金額は数百億ドルにすぎず、市中銀行の短期流動性危機が大きく、第2の外貨危機に直面する可能性が高いということだった。このため、最近、香港財界人が韓国財界人に会う度に尋ねることは「韓国経済は大丈夫なのか」だった。韓国経済が理由もなく懸念の対象になっているのだ。問題は、これによって韓国経済状況がさらに悪化するかもしれないという点だ。政府は外国人に韓国経済の実情を正確に知らせるため、積極的に活動しなければならない。

【取材日記】韓国経済、外国人の‘錯視’から抜け出すには

「韓国は外貨準備高が2000億ドルを超えるが、実際に使用可能な金額は数百億ドルにすぎず」というのは外国記事がいってるだけのことだとして挙げられているわけですが、このあたりの真偽はどうなんでしょうか。

朝鮮日報にはこんな記事も出ています。

韓国政府は19日、総額1300億ドル(約13兆2000億円)の外国為替市場安定化対策を発表し、銀行が来年6月までに新規に借り入れるか返済期限が到来する対外債務を期間3年、総額1000億ドルの範囲内で保証することを明らかにした。また、外貨準備から300億ドルを切り崩し、外国為替市場を通じ、銀行や企業にドル資金を追加供給する。
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今回の措置で銀行と企業は深刻なドル資金不足の大幅な改善が見込めるが、総額2400億ドルの外貨準備から300億ドルを切り崩すことが新たな不安要因になる可能性も否定できない。

韓国政府、総額1300億ドルの為替安定化策発表

「新たな不安要因になる可能性も否定できない」ということは、やはり外貨準備高は十分ではないということなのかなという気がしますが。

また、朝鮮日報にはこんな記事も出ていました。円高ウォン安で「お得」になる人がいれば、反対に苦しくなる人もそりゃ出てきます。

アジア通貨危機のときよりも深刻な経済危機だという人もいるのに、あえて海外に修学旅行に出かける必要があるのか。ウォンが下がり追加費用が必要だというが、ほかの学生が全員参加する修学旅行に自分の子どもだけ行かせないわけにもいかないし…」

忠清南道のA高校(1年)に子どもを通わせるキムさん(45)=女性=はため息をついた。10月末に日本への修学旅行に掛かる費用が80万ウォン(約6万1000円)を超えるからだ。キムさんは「毎月の塾代だけでも大変なのに、最近ウォンが下がり、修学旅行の費用をさらに10万ウォン(約7600円)負担しなければならないというから心配」と話した。

海外修学旅行に父兄から不満の声

韓国からの客でもっている日本の観光地なども影響が出ているかもしれませんね。