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脱力と諦観でつづるおっさんの日常

紅葉の京都 「うはうは」なのか高台寺

11月25日の京都新聞朝刊にいささか違和感のある「おわび」が出てます。
ネットに出てないのでコピペできません。正確に引用するのは面倒なのでポイントだけ書きます。

紅葉の時期にたくさん拝観してもらい感謝するが、混雑して拝観者に迷惑かけて申し訳ない。近所にも交通渋滞などで迷惑かけてすまない。
今後も混雑するので拝観は徒歩か公共交通機関を使ってほしい。
特別拝観は12月7日までだ。すいている平日に来てもらえるとありがたい。

もちろん、実際にはもっと丁寧な言葉で書かれています。
うがった見方をするようですが、この「おわび」は何が言いたいのだろうかと考えます。
参道が工事中だから参拝者が不便というのならわかります。でも、参拝者が多くて混雑するのって、混雑の原因は参拝者にあるわけですから仕方ないですよね。寺が参拝者に謝らないといけないことなのかな、と疑問に思います。
たしかに、周辺には迷惑をかけるでしょう。でも、寺の周辺って土産物店なども多くて、むしろ寺の参拝客を当て込んでいるところも多いですよね。全部が全部とはいわないけれど、参拝客が多ければ迷惑どころか「高台寺さまさま」ですよね。
この「おわび」は、こういった点を承知のうえで書かれているのではないか。
そのへんを割り引いていくと、最後に残るのは、高台寺にはたくさんの拝観者があるという事実です。それと、さりげなく書かれている特別拝観の期限です。これが実は情報として重要だったりして。
この手のおわび広告は高台寺に限らず、京都の観光寺院が毎年同じ時期に出しているような気がします。季節の風物詩のようなところもあるのかもしれません。

ただ、そうのんきなことばかりでもないようです。清水寺は以下のようなことになっています。

清水寺(京都市東山区)の秋の夜間特別拝観で、開門時刻を大幅に繰り上げる日が続いている。連日、開門を待つ参拝の人で長蛇の列ができるためだ。昨秋は身動きが取れないほどの人込みとなり「将棋倒しの危険」を感じた人もいた。寺側は22日からの週末の3連休が人出のピークとみて、警備態勢を強めている。

清水寺、夜間拝観長蛇の列 3連休の警戒強める(京都新聞)

観光に行って危険を感じるなんてのは論外です。にぎやかなのはいいですが、度が過ぎれば、観光として楽しめないでしょうし、京都も観光地としての評判を落とすことになりかねません。

抜本的対策というと特に妙案はないのでしょう。やっぱり「おわび」を新聞に出して参拝客に呼び掛けるしか手立てがないのかもしれません。もちろん清水寺と高台寺では状況が違いますが、混雑対策に妙案がないという意味だとするなら、高台寺の真意は、私のようなうがった見方ではなく、おわびに書いてあるとおりなのかもしれません。

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