ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

子ども泣かせ? 東山一貫校

わざわざ難しい漢字を使っているところが京都らしいと言えば京都らしいということでしょうか。

京都市東山区に2011年開校予定の小中一貫校について、地元団体による「小中一貫校新設検討協議会」は10日までに、新校名を「開睛(かいせい)小中学校」と決めた。地元案を受け、市教育委員会が近く決定する。
新設校は、白川、新道、六原、清水、東山の5小学校と洛東、弥栄の2中学校を統合し、洛東中と六原小の場所に校舎を建設する。
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校名は東山にふさわしく、四神の一つで東方を守護する竜から着想した。竜の絵に瞳(睛)を入れると天に昇ったという中国の故事「画竜点睛」にちなみ、「睛」を大きく開くように願って付けた。

東山の一貫校「開睛小中」に 地元案受け近く決定(京都新聞)

少子化の進行で学校統合は避けられない行政課題です。市町村合併でもそうですが、統合のポイントは新校舎の場所と校名です。
このうち校名は、現在ある学校の名前のどれかを継承すると、吸収合併のように受け取られて他の学校から文句が出ます。現在ある学校の名前を組み合わせるというやり方もあるかと思いますが、ここの場合は校数が多いからそれは無理でしょう。
そうすると新しい名前をいちから考えるということになります。
では誰が考えるかというと、市教委がお仕着せにしたのでは地元から反発が出ます。統合をスムーズに進める意味から決定の主体はあくまで地元だということにしておく必要があります。
京都市中心部の小学校制度というのは国内でも屈指の古さで、明治維新の直後から住民主体で次々と建てられてきました。いま残っている校名をみても故事にちなんだ難しい名前がけっこう多いです。
そのあたりを意識して格調高い校名にしようと地元協議会も考えたのでしょう。そうやって知恵を絞った結果、決まったのが「開睛」らしいです。
名前って格調高いことも重要でしょう。でも記号として簡単に読めるとか覚えやすいとかも重要ですよね。
統合する前は白川、清水、東山など簡単な名前だったのに、今度は小学生にとってハードル高いかなと。そもそも、「睛」は学校で習わない漢字のはずです。
協議会の人たちの頭の中では「京都だから格調高くしよう」ということばかりが先行してしまい、主役の子どもたちが覚えやすいかや書きやすいかなのは二の次だったということでしょうか。
過去エントリーそこまでするかでも京都御池中学校について書きましたが、京都の統合校のネーミングはなかなかビミョーなのが多いです。
余談ですが、将来、この新一貫校の卒業生が東京の大学に進学して出身校は「かいせい」と言ったら、まわりから「すごいじゃん」と言われそうですね。