気が早いけど撤退はどうする? 京都水族館(仮称)
市長が会見で言ったことが実現できなければ逆におかしいです。水族館建設は既定路線だったといっていいでしょう。
京都市下京区の梅小路公園で民間企業が計画している水族館建設の是非を検討していた市の「京都水族館(仮称)整備構想検討委員会」は15日、最終委員会を開き、「都市公園法上、設置が認められ、地元雇用拡大も見込まれる」など容認する答申骨子案をまとめ、近く門川大作市長に答申することを決めた。事実上、建設へのゴーサインで、市は年内にも設置許可に向けた手続きに入る。
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骨子案では「水族館は教養施設に該当し、都市公園の機能の増進に寄与する」など公益性が高いと認定。運営面でオリックス不動産が地元雇用に力を入れ、体験学習プログラムなどを充実させるなどの方針を評価した。
また、市が公募した市民意見で周辺交通渋滞などへの懸念が多数寄せられことから、「市民意見に配慮し、定期的に市と企業が運営について協議する仕組みをつくるべき」とする内容を、答申に盛り込むことも決めた。
建設にあたって市が用地を無償提供したり、周辺のアクセス道路を整備したりというのは、たぶん実施されると思います。これはまあ想定の範囲内です。
その程度の税金の使われ方はまだまだ小さい範囲です。むしろ、もっと大きな問題があるのではないか。
気が早いですが、建設後、もし採算がとれないときにどうするのか、です。これはけっこう重要だと思います。
もし営業を停止した場合にオリックス不動産は建物を取り壊して用地を更地にして市に返すのでしょうか。
おそらくそうはならないでしょう。「教育上、意義がある」として市が買い取って営業を継続するんじゃないでしょうか。
このへんは用地提供にあたって京都市とオリックス側の契約がどのようになっているかにもよるでしょう。現段階ではなんともわかりません。
仮に市が買い取るとなると、「税金をたくさん投入しなくていい」としてもともと民活で始まったはずなのに、結果として税金で抱えることになってしまうことになります。税金ではぜったいにつくらないはずのハコモノを持たされることになってしまう。京都市側からみると、当初のもくろみとまったく反対になるということです。
もちろん民間の採算ベースに乗っていればなんの問題もないわけで、建設される前から言っても仕方ないことなのですが。
最後に指摘しておきたい点があります。
市が公募した市民意見で周辺交通渋滞などへの懸念が多数寄せられことから
というくだりです。
過去エントリー賛否は「集計中」 梅小路水族館計画で私はこう書きました。
もうひとつ。「市民意見での賛否割合などは集計中だが」っていうのはちょっと眉つばですなあ。募集は21日に終わっています。250件程度の集計なんて、優秀な京都市職員なら2、3人で2、3時間もあればできるはずです。なんらかの理由で現段階では出せないということなのでしょう。あまりに反対の意見が多いから出すのはまずいということなのかな。
あれから1カ月半はたっているのだし、ぜひアンケートの集計結果を京都市には明らかにしていただきたいものです。
よろしければ以下もご覧ください。
(過去エントリー)陸のカッパ 梅小路に水族館計画