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どこへ行くのか 嵐山花灯路

一見、なんの変哲もない記事ですが。

京都市・嵐山一帯で21日まで10日間行われた夜間ライトアップ行事「京都・嵐山花灯路」の来場者数が計85万7000人と昨年を13万人下回り、開催4年目で初めて減少したことが22日、主催者の集計で分かった。昨年より4日遅い日程で紅葉目的の客が減ったことに加え、景気悪化が影響したとみられている。
主催した京都市や京都商工会議所などの京都・花灯路推進協議会によると、最初の週末の13、14日が昨年を下回る低調な出足となり、最終日の21日も雨天で8万6000人にとどまった。
曜日の巡りで開幕が中旬にずれ込み、例年なら残っている紅葉がほぼ終わっていたことに加え、景気悪化や円高もあって「外国人や関東圏など遠方からの来客が減ったようだ」(同協議会)という。
嵐山花灯路は冬場の集客対策として2005年に始まった。初回は63万人だったが、06年は1・5倍の97万人に大幅増加。さらに昨年は98万人を超え、嵐山地区の集客増に貢献した。
同協議会は「平日も5万人以上集め、会社帰りなどの固定ファンも出てきた。調査結果を基に来場者の動向を詳しく分析して来年に生かしたい」と話している。

嵐山花灯路の来場者数、初の減少 景気悪化の余波?(京都新聞)

嵐山花灯路の来場者が昨年より減ったとのことです。景気悪化で減ったのはまあ仕方ないでしょう。

問題はもうひとつの原因である「紅葉目的の客が減った」です。

記事にもあるとおり、嵐山花灯路は「冬場の集客対策として始まった」わけです。紅葉の時期は放っておいても観光客は来ますが、紅葉が終わってしまうと嵐山に限らず京都市内は観光客ががたんと減ってしまい文字通り「冬の時代」を迎えます。

その対策として京都市内では、普段は見られない寺社に案内する「京の冬の旅」なんかを行っています。嵐山花灯路もその延長線上にあるわけです。

「それならおかしいじゃないか」と思いませんか。
そもそも花灯路は紅葉シーズン後の集客対策として始まっているわけです。紅葉シーズンに開催すれば、ある程度の集客は見込めるんですが、そうじゃないところから出発しているわけです。

なのに「曜日の巡りで期日の設定が紅葉に合わなかったから、昨年より減った」といいます。紅葉シーズン後の集客を目指すのではあれば、紅葉シーズン中に開催したのでは意味がないはずです。紅葉期に開催時期が重なったかどうかで来場者の増減に一喜一憂していても仕方ないと思います。

当初の開催趣旨からすれば、期日の設定は今年が本来のありかたなのであって、紅葉シーズンの終盤に引っ掛かっていた昨年がむしろおかしかったといえるのではないでしょうか。

ひとつ想像するに紅葉終盤の人出を「その後」につなげていきたいという期日設定なのかもしれません。でもそれはどういう効果を狙っているのかいまいち不明です。観光客の立場からすれば「紅葉期にライトアップをやっているのなら、その時期に見にいってみよう」となり、紅葉狩りの時期を花灯路開催に合わせるだけのことです。紅葉狩りに来た観光客にもう一度花灯路に来てもらうのはあまり期待できないような気がします。

とにかく集客したいということならもっと前倒しして紅葉シーズンに合わせたほうがいいでしょうし。開催4年目にしてようやく課題が浮き彫りになってきたということでしょうか。

以下は参考です。

京都・花灯路推進協議会