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脱力と諦観でつづるおっさんの日常

前代未聞 京都市交通局に退場勧告

行政の審議会で取りまとめ役の部会長が行政の批判をするというのは異例のことだとは思います。ただ、何が問題なのか、内容がいまひとつよくわかりません。

京都市内の公共交通機関の連携強化のため、鉄道やバス会社の代表が参加している京都市の審議会で13日、部会長の京都大教授が、市バスと地下鉄を運営する市交通局に対して事業からの撤退を求める異例の「退場勧告」の文書を突きつけた。教授の示した改善策に交通局が踏み込んだ回答を示さなかったためで、交通局に発表の機会も与えられなかった。市の審議会で退場を命じられる前代未聞の展開に市幹部は困惑の表情を浮かべた。

上京区内であった市「歩くまち・京都」総合交通戦略策定審議会の部会で、中川大部会長(京大工学研究科教授)が冒頭のあいさつに続き、「交通局は便利なダイヤをまともに組む力もない。61年の歴史に幕を閉じることが歩くまち京都の実現のために必要である」と険しい表情で勧告を読み上げた。

部会は約半年前から議論を始め、この日は各社が具体策を発表する予定だった。中川部会長は13日昼までに地下鉄の夜間十分間隔運行や、市バス地下鉄全線定期の値下げなど8項目を1年以内で実施できるか、回答を求めたが、十分な回答がなかったという。

部会で中川部会長は「旧態依然のバスダイヤ作成手法が続いている」「中核を担う交通機関としての実力がない」とまくし立て、退場勧告の文書を全委員に配った。

部会委員の交通局幹部3人は「限られた経費の中で最善を尽くしている」などと反論したが、交通局だけ発表の機会が与えられず、戸惑った表情を見せた。

中川部会長は交通政策の専門家で、数多くの市審議会に参加している。「京都は世界最高水準の公共交通ネットワークをつくることができる。それなのにやろうとしない」と怒りが収まらない様子で話した。審議会担当の都市計画局幹部は「部会長の指摘はどれもできるはずの内容」と調整していく構えだが、極めて異例の展開に部会は重苦しい空気に包まれた。

http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009031400034&genre=A2&area=K00

中川教授はよほどハラにすえかねていたのでしょう。この方も名前を出しておられますが、交通政策の権威であった北村先生が亡くなられて中川教授としては「こんなことではいかん」と義憤にかられて発言されたのかもしれません。あくまで素人の想像ですけど。

ただ、京都市のHPを見ても審議の過程がわからないので、記事を読むかぎりでは何が問題になっているのか詳しくはよくわかりません。これを機会に京都市の交通政策に関して市民の議論が深まることを期待します。どこかの新聞で「交通局VS中川教授」なんかの紙上討論をやれば面白いのではないかと。

追記20090321
京都市のHPにそれらしきものがありました。
http://www.city.kyoto.lg.jp/tokei/page/0000045549.html
これをネタに、また続きを書きたいと思います。