ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

京都市役所は「全国初」がお好き

内容は題名そのままです。前からなんとなく気になっていたんです。京都に住んだり、通勤通学している人は「ああ、そういえば」と共感していただけるのではないかと思います。
たとえば、京都市営地下鉄の中吊り広告です。京都市の施策が毎月、紹介されているんですが、ほとんど毎回どこかに「全国初」と銘打った施策があるような気がします。京都市のHPのニュースリリースをみても多いように感じます。
そうはいうものの、私の単なる思い込みかもしれません。それじゃダメですよね。客観的なデータに基づかないといけません。
そう考えて、京都市のHPを「全国初」でサイト内検索して何件引っかかるか調べました。比較対象として、大阪市と神戸市も同じように検索してみました。
その結果です。大阪市101件、神戸市383件に対し、京都市は1220件にのぼりました。1けた違います。ダントツです。
そして京都市は内容がまた濃いんです。
「全国初!生ごみなどからクリーンエネルギー」てな感じでビックリマークをつけてアピールに余念がないものもあります。自治体の広報文でビックリマーク付きというのはなかなか斬新です。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000015952.html
「全国初」がマンガの吹き出し風になった記者会見資料もありました。記者へのアピール度も抜群でしょう。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/cmsfiles/contents/0000063/63723/20090608.pdf
【全国初】といったふうにカッコを付けて強調した記者会見資料もあります。記者が万一見落としたらまずいという親切心からなんでしょうね。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/cmsfiles/contents/0000014/14056/20070104-01.pdf
【全国初】はここでも見られます。京都市の記者会見資料の書式として決まっているのでしょうか。広報課あたりが指導してるのかな。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/cmsfiles/contents/0000063/63877/20090610-2.pdf
きりがないので、このへんでやめますが、当然、市役所のトップである市長も会見で連発されてます。

まずは,「京都市消防活動総合センター」の全面運用開始についてでございます。火災や自然災害から市民の皆様の大切な生命・財産を守る,暮らしを守る全国初の取組となります。
・・・
こうした実践に則した全国初の訓練施設を存分に活用いたしまして,今後ともあらゆる災害を想定した実践的な訓練を積み重ねてまいります。
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第二に,消防局の指揮命令の中枢であります「消防指令センター」と直結した情報通信ネットワークの端末機を配備した『作戦情報室』を有し,更には車両整備や活動機材,燃料等の補充を行う『後方支援機能』を備えている点が大きな特徴であります。こうした機能が1箇所に集約されたセンターは,全国で初めてであり,長期にわたって機動的な援助活動を効果的かつ効率的に行うことができます。
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今後は,このセンターを京都消防の強力な砦にしながら,消防団,あるいは全ての学区で結成されております自主防災組織と一体となって,全国トップを誇ります京都市の消防局が,取り組んできた機能をさらにレベルアップしていきたい。そして市民の生命,暮らしを守っていきたい。また京都ならではの文化財を守っていきたいと思っています。

http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000059151.html
ちなみに「全国トップ」はオマケとして赤字にしてみました。
たしかに京都には進取の精神が息づいています。じっさい京都には歴史的に当時、全国初だったものはいっぱいあります。京都市役所が「全国初」にこだわるのはその名残りかもしれません。
そして、今は自治体間競争の時代です。自治体の先進的な施策をアピールしていくことは重要なことです。
でもねえ。いささかクドいと感じるのは私だけでしょうか。
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