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脱力と諦観でつづるおっさんの日常

まず隗より始めよ 京都知恵と力の博覧会

今年の秋に京都 知恵と力の博覧会というイベントが開かれるらしいです。例によって京都の政財界をはじめ「オール京都」で取り組むんだそうです。
けっこうな趣旨なのではないかと思います。ただ、ひとつ気になることがありました。開催時期が10月10日から12月20日までになっていることです。
秋の紅葉シーズンに合わせたのかなと単純に思います。紅葉狩りに来た観光客を一人でも多く、博覧会に引き込みたいとの意図が見えます。そのあたりに関しては京都市であった記者会見でも質疑がありました。

(博覧会の実施時期)
記者
実施時期についてですが,10月から12月というと秋の紅葉など観光シーズンもかぶる時期だと思うが,その時期の決定というのをどうお考えなのか,ある程度閑散期の入り込みを増やすような時期が適当ではないのかというのが一つ疑問なのと,想定事例が色々と非常に多彩だが,主眼というか,どういうお客さんをメインに来てもらいたいか,企業であるのか,普通の観光,寺社仏閣を見るお客さんなのか,ターゲットをどこに絞るのか伺いたい。
京都商工会議所)会頭
ターゲットをどこに絞るかというのは,これも実行委員会で検討することになるんですが,確かに対象をどこまで考えておくかというのは大変重要なことでございまして,考えられることとしては,やっぱり国内外の観光客が一つ言えると思いますし,国内外のバイヤー,あるいは学生も含めてターゲットを考えるということが今のところのアイデアとして出ています。二つ目としては,やっぱり期間中どう見せるかが課題になろうかと思います。そして三つ目が,博覧会の中身が全国に見えるようにどう情報発信していくのかという,この辺がこれからの実行委員会としての検討課題になってくるかとこのように思っております。
(京都府)知事
時期については2つ考え方がありましてね,今おっしゃったように閑散期を狙ってやっていく,たぶん12月ぐらいがターゲットになってくると思います。もう一つは昨年源氏物語の記念式典やって古典の日というものを位置付けたとかですね,そういうエポック,イベントに焦点を併せて開催をしていく。ここは我々もまだこれから考えていかなければならない点だなと思っておりまして,趣旨全体も粗いものですからね,それを踏まえて考えていけばいいと思います。それから対象につきましては博覧会ですから,できるだけたくさんの対象でいいのではないでしょうかね。そもそもキャパシティが小さいところに持っていくというわけではなくって,街中,巨大な博覧会をやっているときに,絞らなければならない理由は,私は逆にないのじゃないかなと思って,非常に幅広く,たくさんの京都ファンに京都を愛してもらえるような形で,誰が来ても楽しいような,企業が来れば,企業の素晴らしい能力を見てもらえるとかね,子供たちが来れば,任天堂さんでもほんと出てきてくれたらね,また楽しいんじゃないかとかね,そういったような誰が来ても楽しめるようなものにしていく博覧会じゃないかなという気がしますから,あまりターゲットを絞ってしまうとそれは違うんではないかという気がしますけれどね。

京都府,京都市,京都商工会議所共同記者会見(2009年1月28日)
知事の返答は、これはこれでまあこういうことかなとも思いますし、京都市長は直接コメントしていません。しかし、一方で京都市はこういう施策もやっているのです。

「京都市ニューツーリズム創出事業」の募集について
要するに「桜や紅葉の時期はもうキャパがいっぱいだけど、それ以外の閑散期にもっと観光客を集められないか市民に考えてほしい。いい案には補助も出すよ」ってことでしょう。

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市民には「閑散期の観光客増対策を考えろ」といっておきながら、自分たちがやるイベントは観光客が多い時期を見込んでやるというのは、なんか矛盾してないでしょうか。
「オール京都」でやるから博覧会は失敗できない。少しでも入場客数を見込めるように考える必要がある。そのためには観光客が多い紅葉期に合わせるのが手っとり早い。おそらくまあそんなところでしょう。
関連エントリー 京都人は「オール京都」がお好き追記
というか、京都市ニューツーリズム創出事業募集のほうが後なので、知恵博を多客期に予定しておきながら、京都市は観光客増の策を市民に求めている、といったほうが正確なのかもしれませんね。