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白足袋は偉大です 仏教会と市が新事業

京の夏、七夕イベントで盛り上げ 仏教会と市が新事業で合意
京都仏教会の有馬頼底理事長と京都市の門川大作市長が15日、中京区の市役所で共同会見し、新たな夏の風物詩を目指し、七夕にちなんだイベントを来年夏から始める構想を発表した。
有馬理事長がこの日、門川市長に新事業を提案し、合意した。市と仏教会は1999年の和解以降、東山や嵐山での「花灯路」などで観光振興に協力しているが、仏教会側からの事業の提案は今回が初めて。
構想では、今春に水流が復活した堀川をメーン会場に、旧暦の七夕にあたる8月7日ごろから五山送り火の16日までの間、「明かり」がテーマのイベントを夜に開く。各社寺では七夕飾りなどで境内を彩り、市民や観光客に夏の京都の魅力を再発見してもらう。
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2009071500149&genre=I1&area=K00

事業そのものは非常にけっこうなことかと思います。
私が注目したのは京都市の広報発表文です。
http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/page/0000065580.html
京都仏教会が京都市に提案している形になっているからかもしれませんが、発表文の順番が仏教会、京都市となっています。
これって、京都に住んでいる人は「当たり前やん」と思うでしょう。でも、よく考えてみるとそうでもない。京都の特異性を表しているのではないかと考えます。
京都市が他の団体と共同会見をすることはよくあることです。例を挙げてみます。
平成21年6月8日共同記者会見(京都市・京都2Rシステムプロジェクト)平成21年1月28日京都府,京都市,京都商工会議所共同記者会見平成19年11月7日共同記者会見京都パリ姉妹都市盟約締結50周年・日仏交流150周年記念 「相國寺・金閣・銀閣名宝展」の開催について
いわゆる「オール京都」の3団体では、京都市は京都府に含まれるわけですから、京都府より後にくるのは仕方ないとして、少なくとも京都商工会議所よりは前に来ています。京都市だから、行政だからえらいというつもりもありませんが、まあ順番として行政が先にくるのはある意味、自然なことかと思います。
でも、京都仏教会相手だと話は違ってきます。それはなぜか。おそらく仏教会が「白足袋」だからでしょう。
京都の社会には厳然とした序列があります。その頂点に君臨しているのが白足袋をはいているみなさん、すなわち宗教界、茶・華道界などの関係者です。頂点ですから、行政より偉いのです。それ以上でも、それ以下でもありません。そういうことです。
まあ、京都市からすれば、そういった権威をうまく利用してハクつけをしているといえなくもないわけです。利用する以上、権威を権威たらしめなくてはなりません。当然、たててあげる必要があります。自分より上位に位置づけるのは当然といえば当然でしょう。
別の側面もあります。
以前のエントリーで京都市の観光閑散期集客案募集について書きました。

京都市のHPを見ていたら、以下のような募集がありました。
「京都市ニューツーリズム創出事業」の募集について
要するに「桜や紅葉の時期はもうキャパがいっぱいだけど、それ以外の閑散期にもっと観光客を集められないか市民に考えてほしい。いい案には補助も出すよ」ってことでしょう。日ごろ京都市のHPはいろいろネタにさせてもらってますし、私も(応募はしませんけど)勝手に考えてみました。
「京都×説教ライブ」大作戦

今回の仏教会の提案はまさにこれでしょう。まさに渡りに船です。京都市の施策に協力してもらっているわけですから、そりゃたてないといけません。
それはさておき。
事業には非常に期待していますが、すこしツッコミを。なんでこの時期に来年からの事業を発表するのでしょうか。今年からやるのかなと勘違いする人が多くないでしょうか。
それと、単に灯りをともすだけではもったいない。お盆に行うわけですから「お寺さんのありがたみ」といったものをもっと前面に押し出してほしいと思います。