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この審議会が面白い 京都市庁舎整備懇談会

先日も触れました京都市庁舎整備懇談会についてです。まずは第1回会合です。
各回の摘録(議事録)はこちらからみることができます。
http://www.city.kyoto.lg.jp/gyozai/soshiki/3-1-1-0-0_4.html
第1回は2008年11月に開かれました。門川市長のあいさつに続いて座長を選出し、討議に入りました。
じつは庁舎整備に関しては前にも同じような審議会が開かれています。現庁舎は貴重なので保存して、新庁舎は南部に移転して建てるかどうか、といったあたりです。委員からも発言がありました。

今まで放置してきたのかと思えば,10年以上前に既に懇談会が開かれていたとのこと。その時点での議論を再確認し,そのうえで付け加えるものがあればという形で議論すべき。

委員の中にはそのあたりの事情にくわしい方もおられ、いきなり候補地を持ち出してきた方もおられるようです。

建替えは,緊急を要するものと理解している。
10年前の懇談会と今回の懇談会の整合性を議論すべき。
前回懇談会の提言4で「現在地で進めることを基本とするが同時に京都市の北部と南部を一体化する構想のもとに,市南部地域の整備を進め,京都市の発展に応じて,南部移転を考慮する」とされており,これを踏まえ南部移転を考慮する必要がある。
保存と開発の問題があり,都市の基本計画と市庁舎整備は密接な関係にある。経済の発展は大事なことで,南部も考える必要がある。
南部地域は土地の高度利用が可能,地下鉄竹田駅車庫は立地条件がよい。
現地での建替えの場合,建替え期間中の仮移転等費用が膨大である。新立地の方が効率的で,高層化すれば執務室も一体化でき,市民サービスにもつながる。

竹田はまあ、誰でも考えますよね。
(過去エントリー)「京都×地下鉄増収&スタジアム」大作戦
そしてのちに新聞でも紹介されますが、驚愕の事実が判明します。

市庁舎整備基金は115億円あるが,114億円を一般会計に貸し出しており,財政的に非常に厳しい状況にある。

世の中では一般的に「使い込み」とか「流用」というと思いますが、財政措置としてはアリなのでしょう。いずれにせよ、改築の費用がないということが改築を議論する審議会の席上で明らかになるというなかなか初回から波乱含みの展開です。
委員のいろいろな意見を受けて事務局はこう答えます。

前回の懇談会での提言を踏まえ検討してきたが,財政状況から事実上ストップしていた。しかし,耐震性能など避けられない課題があり,検討を進めることとした。耐震改修だけをした場合でも約70億円必要であり,併せて建替え,分庁舎整備等も検討することとした。
整備場所については,現状では,南部に適当な場所がないことや,現地が交通至便が良い等の理由により,議会において,現地での建替えが現実的であるとの答弁を行っている。
市庁舎全体の年間維持管理は約6.5億円で,うち外ビルには約2.8億円費やしている。

一市民としては「市庁舎は南部に移転するのかな」と漠然と考えていたんですが、市当局としてはあくまで現地改築なんだと。「改築してないから、外ビルに3億ちかくかかってんだ」というあたりも市当局として強調したい部分なのでしょう。
座長もこう引き取ります。

前回の懇談会との関係が大切であるが,社会的状況との関係では大きな変化がある。前回の懇談会では,北部と南部の関係が相当議論されており,今回再議論となると時間が足りない。提言でも「まず現在地で進め,市の発展に応じて南部移転を考慮する」となっている。

現地改築を前提としましょう、ということだと思います。このへんは事務局とのあうんの呼吸ということなのかな。
本日はこのへんで。
過去エントリー
キターッ 京都市庁舎整備懇談会御池ゼストに京都市新庁舎を