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運賃に市民割り引きを 京都市営地下鉄

前回に続いて地下鉄の話です。

京都市は2日、市議会普通予算特別委で、一般会計で起債し、市営地下鉄の支援に充てる「経営健全化出資」900億円の返済期間を30年と見込み、利息は470億円にのぼるとの見通しを明らかにした。(3月3日、京都新聞)

京都新聞によると「市民1人あたり約9万4000円の負担」だそうで、返済総額は1370億円にのぼる計算です。
京都市は市営地下鉄の赤字解消のためさまざまな増収策に取り組んでいます。まず、そういった努力は必要です。
ただ、これだけ巨額になると、実際「自主再建」というのは難しいでしょう。一般会計からの繰り入れもある程度はやむをえないという気もしてます。
でも、ここで考えます。一般会計から繰り入れて再建していくのであれば、「ちょっと待った」と言いたいことが出てきます。
京都市民からみたら、「地下鉄を利用して再建に協力し、また税金を納めるという形で再建に協力するのかよ」ということです。「2重取り」されているんじゃないのか、ということです。
地下鉄は京都市のもちものかもしれませんが、べつに京都市民だけが利用するわけではありません。京都は観光都市ですから外国や全国から多くの観光客がきます。
そういった人たちと等しく市民も同額の運賃を支払って再建に協力します。そして、なおかつ市民は、地下鉄が京都市のもちものだという理由からさらに税金という形で再建に協力させられるということです。それが市民1人あたり9万4000円だと。地下鉄の250円の区間が380回ぐらい乗れる金額です。
そう考えると、市民は運賃をタダにしろとまでは言いませんが、市民以外の人と比べてなんらかの割り引きがあってしかるべきなんじゃないでしょうか。
まあ市民とそれ以外で運賃に差をつけたりするのはたぶん国土交通省も認めないとは容易に想像できます。しかし、釈然としないのは確かです。
前にも書きましたが、これと似たような例では京都市動物園の中学生無料化方針というのもあります。ご参考まで。
(過去エントリー)
中学生無料化に違和感 京都市動物園職員も考えてみました 地下鉄増収・増客イケてるのか 京都市営地下鉄経営健全化計画案(骨子)