ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

京都府の信頼管理職ってナンデスカ?

前回のエントリー「釜座選対」売出し中を読み返してみたら、ひっかかる表現がありました。と思ったら、「ねっとわーく京都」の記者座談会にもちょこっと出てました。
記事を再録します。

メールで街頭演説の応援指示か 京都知事選の選挙期間
4月に行われた京都府知事選の選挙期間中に、当選した山田啓二知事の街頭演説への参加を呼び掛けるメールが幹部職員十数人に送られていたことが17日、分かった。差出人名は現職幹部で、府は公務員の選挙運動を禁じた公職選挙法に抵触する可能性もあるとみて、この幹部から話を聴くなど調査を始めた。
共同通信が入手した資料によると、メールは当時の知事室長名で4月8日に送信。投開票日前日の4月10日に京都市で行われた街頭演説について「積極対応」、同9日に行った府庁前での街頭演説についても「信頼管理職等で最大対応」とあり、いずれも参加を呼び掛ける内容だった。
文末には「今回で情報提供は終了します。メールおよびペーパーは、本日中に完全消去」とあり、証拠を残さないように対応を指示したとも受け取れる記述があった。
2010/06/17 12:44 【共同通信

「信頼管理職等で最大対応」とありますが、この「信頼管理職」ってのはどういう意味なんでしょうか。不思議な言い方です。以下、考えてみました。
1、誰にとって信頼できる管理職なのか
まず普通に解釈すると、この信頼管理職というのは「信頼できる管理職」ということだと考えられます。では、誰からみて信頼できるのでしょうか。
この場合、府庁トップ(要するに知事ですな)とメールを出した知事室長の2通りが考えられます。前者なら知事がお墨付きを与えているわけで、信頼管理職の選定に知事も関与していることになりましょうか。一方、後者なら知事が知らないところで幹部職員がやってたことだということになりますが、真相はわかりません。
2、信頼できない管理職も府庁にいるのか
次に、そもそも信頼管理職が存在する以上、「非信頼管理職」(笑)も存在するということなんでしょう。
「1」とも関係しますが、誰かがなんらかの基準をもって管理職を「信頼管理職」と「それ以外」に選別してるってことなんでしょうね。一定の役職以上の管理職は自動的になるんでしょうかね。もしくは、知りませんが、一般職員時代の組合活動歴なんかも関係するのかな。このあたりは非常に興味深いです。「信頼管理職」と名刺に入れてる人もいたりして。
3、信頼管理職は選挙だけのものなのか
信頼管理職というのはいわゆる釜座選対のためのものなのでしょうか。選挙限定のものなのか。それとも日ごろから府政運営や施策遂行に信頼管理職が積極的に関わっているというようなことなんでしょうか。そうなると当然、出世とかにも関係するのかなと思ってしまいます。
   *      *
だいたい『9日に行った府庁前での街頭演説についても「信頼管理職等で最大対応」』というのはへんな話です。4月9日は金曜なので、平日です。演説が執務時間内にあったとしたら、この「最大対応」というのは信頼管理職に対して職場離脱を促していることにならないでしょうか。
ともあれ、問題のほうは知事室長が退職して幕引きとなりそうです。

前知事室長ら処分 京都府メール問題
4月の京都府知事選をめぐるメール問題を受け、府は28日、山田啓二知事の街頭演説への参加を呼びかけるメールを府幹部に送ったとして、前知事室長(58)を同日付で停職20日の懲戒処分にした。前知事室長からは退職願が出されており、府は同日、辞職を認めた。山田知事についても減給10分の5(1カ月)の処分にする。
府は同時にメールを受け取った19人のうち、5月に定年退職した1人を除く18人についても、メールを受け取りながら人事当局に連絡するなど適切な対応を取らなかったなどとして、厳重注意処分にした。(2010年7月29日 08:25、産経新聞)

府職労からは知事に真相究明の要求書が出ているみたいですね。府職労は知事選で山田知事の対立候補を支援していたわけですから、そりゃタダじゃおさまりません。
http://www.kyoto-minpo.net/archives/2010/07/30/post_7094.php
その中で以下のように再調査要請が出ているようです。

*7月2日の調査委員会への再調査を要請した諸点
1、調査方法・内容の再検討
   ・職員による面接調査のみであり 審議回数も実質1回、1時間
2、メール文の分析
   ・送信先がすべての組織の幹部職員であった組織性
   ・行政委員会地方独立行政法人への働きかけの法的問題
   ・「今回でメール終了」、「四条河原町特に積極対応」等の系統性・積極的関与
   を想定させる表現
3、メール送信先の一つである広域振興局企画総務部長が地方選挙管理委員会の業務を
 所管している職務との関係の解明
4、19人中11人が昇任・昇格していることとの関係の解明

府職労も「4」を疑問視しているみたいですね。選挙の論功行賞だといいたいのでしょうね。