ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

予言者

元毎日新聞常務の河内孝さんが書いた「新聞社 破綻したビジネスモデル」という本が昨年話題になりました。新聞社の経営危機の実態を扱ったものですが、その中で目をひいたのは、毎日、産経、中日の3社連合を提案している点です。読売、朝日の両巨頭に対抗する第3極として提唱されています。
ひとつ考えたのは、前提として河内氏は、この両巨頭は単独で存続していくだろうと考えていたということです。だから合従連衡による第3極を提唱したのでしょう。
でも現実は氏の考えを超えていました。↓
http://allatanys.jp/index.html
両巨頭に日経(財務、収益力、紙媒体以外への業態転換の進行度など実は両巨頭を上回っており、ビジネスの点でみれば国内最強の新聞社ではないでしょうか)を加えた勝ち組「ANY」の登場ですね。本来、単独でやっていけるはずの大手があっさり手を結んでしまったわけです。もしかしたら河内氏はANY3社提携も視野にいれたうえで第3極を提唱したのでしょうか。かたちをかえた「予言」といっていいかもしれません。
3社の提携でとりあえず形としては見えやすいのは、共同で開設した上記のサイトでしょう。でも、いろんなサイトを読んでみると、3社の思惑は販売面での協力にあることは間違いなさそうです。
「いまの新聞は緩慢に死を迎えようとしている」といわれる状況です。売り上げが落ち込む中で、人員を削減し、印刷を外部化し、と経費削減を続けてきたなかで、最後に残っていたのが販売費でした。これをANYの提携でコスト削減を図っていこうというのでしょう。
でも、ここでひとつ疑問があります。ANYは紙媒体についてどこまで本気に考えているのでしょうか。
3社が協力すれば紙媒体はこれからもやっていけるという目算があるのでしょうか。それとも、延命措置と割り切っているのでしょうか。そのあたりを知りたいなあと思います。
以下は参考です。
新聞は生き残れるのか?ANYは生き残り基準クリアの会員権
http://diamond.jp/series/editors_dw/10008/

新聞ビジネスはすでに破綻している
http://www.videonews.com/on-demand/321330/001075.php

「寂し気な恐竜たち−新聞の未来−」河内孝さん講演
http://blog.news.goo.ne.jp/article/63e28f813a717513/

http://www.mynewsjapan.com/reports/623