ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

「うちが本家」 京の七夕

まえにも触れました「オール京都」の「京の七夕」の開催が近づいてまいりました。
PRの立派なHPもできています。
http://www.kyoto-tanabata.jp/
さらにツイッターも駆使して宣伝しているみたいです。
仙台や平塚など七夕を地元の風物詩にしてるところはたくさんあります。京都はそこに割って入った形ですが、そこは京都のやることです。一味違います。
HPの「開催趣旨」をみてみます。
(以下引用)
中国には古くから天の川を隔てた彦星(牽牛星)と織姫(織女星)が一年に一度7月7日の夕べに出会うという伝説があり、また織女星にあやかり裁縫や歌、書などの上達を星に願う「乞巧奠(きっこうでん)」が行われてきました。これが奈良時代に日本に伝わり、それまで国内で行われていた機を織り祖霊に捧げる「棚機(たなばた)」というお盆の行事と融合したものが、七夕の起源と言われています。
この「乞巧奠」については京都でも古くから宮中行事として行われ、現在でも冷泉家(れいぜいけ:昔の官職に代々任命された公家)では旧暦の七夕の時期に行われています。
このように長年に渡って受け継がれて来た「一年に一度、願いごとをする」という七夕の節句に改めて目を向け、平和や地球環境をはじめ、様々な願いを全国から募り、寺院・神社に託すという、京都ならではの現代版・七夕を実現すべく開催します。
(引用おわり)
仙台なんかにくらべて後発組だからといってひとつも気後れしない。それが京都のいいところです。
それどころか宮中行事や冷泉家を持ち出して「もともとはうちが本家や」といわんばかりの堂々のプレゼンぶり。いきなり「乞巧奠」とかいわれても、「知らんがな」とも思ってしまうんですが、まあいいでしょう。
これって、京都観光資源開発というか「京都ビジネス」の新たな方向性を示唆しているようで非常に興味深いです。
すなわち、他所で人気になっているイベントを持ってきて「もともとは宮中や公家でやってた。本家は京都である」と宣言しちゃうわけです。
他所から文句が出たら「起源」とか「1200年の歴史」とかを持ち出して撃退しましょう。
「宮中」をおさえているわけですから節句系統はとりあえず総なめです。寺社もあるから、宗教関係もおさえています。
とりあえず今回はこちらから仙台や平塚に「うちが本家や」とけんかを吹っかけてマスコミに取り上げてもらうのもPR的にいいのではないでしょうか。
この「京の七夕」、もともとは観光客が少ない夏の閑散期対策として始まったはずです。でもイベントの中身をみていると、あんまり広がりが出ていないような気もします。観光客に来てもらって、移動には地下鉄に乗ってもらって赤字を解消−てな感じだとはおもうのですが、さてどうでしょう。
昨年10月の実行委の資料をみてると、七夕で願うテーマとして「平和」「環境」(これは京都市の市是なので必須)と並んで「景気回復」「和装振興」なんて下世話じゃなかった現実的なものもあってなんだかほほえましいです。
京都としては外から観光客が来てカネを落としてもらってナンボなわけです。そう考えると、前も書きましたが、観光イベントとしては正直もうひとひねりほしいところかなと思いますが。
ぜひ、成功してほしいですね。
(過去エントリー)
またコンビニかよ 「京の七夕」
http://d.hatena.ne.jp/m160/20100302/1267522407
白足袋は偉大です 仏教と市が新事業
http://d.hatena.ne.jp/m160/20090716/1247757817