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どこまで本気? 京都市の温室ガス40%削減

京都市の「市是」ともいうべき温室ガス削減。またまた新しい方針が打ち出されました。

温室ガス 90年比40%削減へ 京都市 環境審に検討要請(2月3日、京都新聞)
京都市は3日、地球温暖化対策条例の見直しに取り組む環境審議会で、条例改正案に「温室効果ガスを2030年までに40%削減(1990年比)」と明記する方針を示した。実現に向け、駐車場利用料や深夜販売商品の代金に対して上乗せ課金することや、市内に流入する自動車に課金するロードプライシングなど新制度創設の検討も求めた。
市条例は「2010年に10%削減」を掲げ05年度に施行。排出量の多い特定事業者に削減計画を義務づけるなどして08年に総排出量は6%減の726トンになったとしているが、「目標達成はかなり厳しい」(市地球温暖化対策室)という。
しかし、市は国の環境モデル都市に選定されるにあたり、「30年に40%削減」を公約しており、今回の条例改正ではこの数値目標を明記して、さらに厳しい取り組みを目指すことにした。
このため「大胆な政策が必要」(同)と、23の具体策を市は審議会に提示し、実現可能性も含め検討を求めた。
自動車総量や流入抑制のため大規模マンションでの自転車・自動車のシェアリング義務化▽ロードプライシング導入に向けた研究▽駐車場料金への上乗せ課金▽深夜営業を行う事業者に対し深夜帯のみ商品・サービス料金に代金を上乗せさせる制度▽省エネ製品・サービスの評価制度導入▽太陽光発電などの市民共同発電制度創設−などを盛り込んだ。
審議会の議論や市民意見募集などを経て、9月市議会に条例改正案の提案を目指す。

この40%という数字はどこから出てきたのでしょうか。当初、環境モデル都市立候補にあたって京都市は「2030年までに50%削減」とか「2050年にはカーボン・ゼロ都市」などとぶち上げていました。さすがに政府からも「実現性があるのか」との声が出て、40%に収まったという経緯があります。
(過去エントリー)
とりあえず言ったもの勝ち?
やっぱり無理な目標でした 環境モデル都市選定
では40%という数字をどう評価したらいいのか。記事にもあるとおり、2010年までの10%削減の実現が厳しいわけです。一方、日本政府が2020年までに25%減と言っているのでも「本当に実現できるのか」との声があるわけです。そんな状況における40%です。
それでも公約しちゃったわけですから、方策を考えなくてはならない。で、「大胆な政策が必要」というわけで、23の具体策というのが出てきました。
しかしあくまで検討段階で、正直なところ京都市も実現できるかどうかわからないといった感じがします。義務化や課金といった施策が目立つわけですが、そう簡単にいくとは思えません。施策の妥当性であったり、実現性に関して疑問符がつきます。
もう一点あります。では、仮に23の具体策を全部実現したら40%削減が達成できるのかというとそれもよくわかりません。「さらに厳しい取り組み」だということはわかりますが、40%削減のロードマップが正直、よく見えません。
そして、もう一度書きますが、そもそも40%削減というのが本当に実現可能なのかどうなのか。「50%は国に無理っていわれたけど、40%ならなんとかなりそうだ」ってことなんでしょうか。
市民も環境に配慮することは必要だと思っています。温室ガスも30%より40%減らすほうがいいにきまってます。それはまちがいありません。でもなんでもかんでもできるわけではないでしょうし、そもそもできないことを公約してもしかたありません。
まずは、40%削減の公約は実現可能なのか、そしてそれをどうやって達成しようとしているのかということを京都市にわかりやすく説明してほしいとおもいます。
過去エントリー
温暖化防止+景観保全
ご参考。いちおうこういうものもあるようです。
京都市環境モデル都市行動計画