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脱力と諦観でつづるおっさんの日常

選挙、利権、ブレーン 嘉田知事新幹線新駅発言

なんでこんなこと言っちゃうかな〜。

県内に新幹線新駅「必要」 嘉田知事「リニア開業なら」
滋賀県の嘉田由紀子知事は6日、彦根市内で開かれた中部圏知事会議で、東京−大阪を結ぶリニア中央新幹線が開業した場合、東海道新幹線の役割が変化することから、「ローカルな新しい機能が必要で、例えば米原−京都間は新駅が必要になってくると思う」と発言した。
嘉田知事は2006年の知事選で新幹線新駅の凍結を掲げ当選。今回の発言については、リニア整備や北陸新幹線の延伸決定など状況の変化を受けてのあくまで問題提起としている。(2012年8月7日、京都新聞)

この発言は各所で非難轟々、嘉田知事に比較的理解を示す京都新聞も9日の社説で批判してます。その後、知事はいろいろハレーションの払拭に懸命ですが、基本的に発言を撤回はしてません。
この人はなんでこんなことを言い出したのでしょうか。ちょっと違った角度から考えてみます。
1、選挙
これはずばり事実上の3選不出馬宣言ではないでしょうか。仮に3選出馬するとなると、対立する共産系候補は新駅不要論を掲げて争点にしようとしてきます。そうすると、新駅計画撤回で当選した人が同じ知事選で今度は新駅推進側になってしまいます。
こんなみっともないことはありません。
そうなると嘉田氏は3選出馬はきわめてしにくい。心中では覚悟は決まってるのかな、という気すらします。
2、利権
今回、嘉田氏は米原―京都間の「新駅」と表現しています。自分が計画をつぶした栗東に新駅を作るとは一言も言っていません。
そう考えると、知事選出馬時の嘉田陣営の思惑は新幹線新駅自体に反対だったのではなく、栗東新駅つぶしだったのかな、という気もします。
栗東は某自民県議の地元です。想像ですがいろいろ関係もありましょう。嘉田陣営(嘉田氏本人とは限りません)としてはそのあたりをいったんつぶして自分たちに都合のいいような場所での建設スキームにもっていきたかったのかな、という気もします。くりかえしますが、そういった利権に嘉田氏本人が直接関係しているかどうかはわかりません。
3、ブレーン
案の定というべきか、8日の県会委員会で嘉田発言がやり玉にあげられています。そのやりとりの中で土木交通部長が面白いことを言ってます。
「新駅の必要性は知事が独自に判断した」
「知事が勝手に言ったことであり、わしら役人は知らんもんねー」と突き放しているわけです。
このことから県庁で知事がだいぶ浮いちゃってることが察せられます。
また、こういうこともいえそうです。嘉田氏には役人以外に個人的な政策ブレーンがいないか、いたとしてもしっくり行ってないのではないかということです。私がブレーンだったら知事に「絶対やめとけ」とアドバイスしますけどねえ。
逆にいうと、今回の発言があって、なおかつ3選出馬しようとするのなら、嘉田氏は規格外にすごい政治家だといわざるをえません。
こういうことをいうというのは、もしかしてもうすでに求心力がなくなっちゃってるのかな。どうなんですかねえ。