ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

牛逃走

昔の出来事を書きつづっていると、次々と記憶がよみがえってくるものですね。

うちでは昔、乳牛を飼っていました。もともと祖父が飼っていて、それを叔父が引き継いでうちの隣で数頭を飼っていました。半世紀近く前とはいえ、近所で牛を飼っている家は珍しく、子どもが写生に来たりしていました。

ある日、事件は起きました。自宅の近くで遊んでいると、大きな声がしました。声がした方を見ると、白黒ぶちの巨大が動物が田んぼを走り回っていました。飼っていた牛が逃げ出したのです。

飼い主だった叔父は必死の形相で牛を追いかけました。たぶん、わたしは子どもだったので、危ないから近づかないように言われていたんだと思います。くわしい顛末は忘れてしまいましたが、なんとか牛は捕まって事なきを得たんだと思います。近所には民家もあったので、けが人が出ていたらたいへんなことになっていたことでしょう。

わたしが覚えているのは、ふだんは牛舎にいる牛がなぜか原っぱを走っている光景です。こども心になんかシュールだと思いました。

その後、牛を飼うのもやめてしまい、叔父も亡くなってしまいました。これまた遠い昔のお話でした。