ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

「共汗」と「市民会議」

26日の朝刊各紙(京都版)が京都市の門川大作市長が就任半年に際して行った記者会見の様子を伝えています。その中で市長は、職員の意識改革やサービス向上を目指した「全庁きょうかん運動推進本部」の設立を発表しました。
「きょうかん」って何だ?と思われる方も多いかと思います。市長のキャッチフレーズらしいです。

予算の金額の問題ではなく,効果的にどう予算が使えるか,市民の参画を得て積極的なボランティアが共に汗をかく,「共汗」していただいて,予算額としては少ないけれども,非常に市民の満足度の高い生活に効果が挙げられる,未来への展望が拓ける,そうしたことを重視していきたいと思っています。(2月25日記者会見)

まず,肉付補正予算ですが,市民とともに汗をかく「共汗」,そして,共に感じる「共感」,「市民との共汗,共感で進める地域主権時代をリードする総合的なまちづくり予算」として編成しました。(4月30日記者会見)

http://www.city.kyoto.lg.jp/sogo/soshiki/2-2-2-0-0_38.html

「これまで職員が好き勝手にしてきたのに、いまさら市民とともに汗をかくといわれても」という気もしますが、まあいいでしょう。一方で市は「共汗」をすすめるため市民の声を政策に反映する「市民会議」を次々と設置しています。

そのひとつが「環境にやさしいライフスタイルを考える市民会議」です。前にも書きましたが、コンビニの深夜営業規制を検討する会議ですね。
コンビニ規制 これから熱い温暖化防止+景観保全

コンビニ規制の経過をみていると、まず市側が規制の方向性を打ち出したうえで市民会議の設立を図っているようです。市民の声を集める、としながら実際には行政主導で出発しているような感じがします。事実、コンビニ業界側は「結論ありきだ」として参加を拒否しています。

これでは従来型の審議会となんらかわるところがありません。この「ライフスタイルを考える市民会議」に限らず、矢継ぎ早に設立されている市民会議が、市の思惑にお墨付きを与えるだけの組織であってはなりません。これらの市民会議が、従来型の審議会と違うような議事運営がされているのかどうか、市民は注意深く監視していく必要があります。

「仏」をつくったのなら、「魂」も入れるべきです。そうじゃないと市民も「きょうかん」できないのではないでしょうか。

よければ以下もごらんください。関連エントリーです。
京都を再生させるたった一つの方法無粋だけじゃない