ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

「必ずやり遂げる」 5万人増客

お役人、しかも本来は慎重に言葉を選ぶはずのキャリア官僚が大見得を切るのは非常に珍しいのではないでしょうか。本年度の京都市役所名言集にノミネートされると思います。

地下鉄「5万人」計画キックオフ 京都市 局横断で「名案求む」(4月14日、京都新聞)
京都市は14日、経営健全化団体になった市営地下鉄の「5万人増客」推進本部と、公共交通優先のまちづくりを目指す「歩くまち・京都」推進本部の初会合を中京区の市役所で開いた。地下鉄の増客に向けて各局、区役所にアイデアを募り、健全化計画上半期の2013年度までの増客計画を策定することを決めた。
両推進本部は、市が最大の行政課題とする2施策に局横断で取り組むため、1日に発足した。由木文彦副市長を本部長に各局、区役所で構成している。
市営地下鉄は、18年度までに1日乗客5万人増を実現する健全化計画を策定した。会合では目標達成のため、市主催イベントを地下鉄沿線に集約するなど各局、区役所ごとに案を募集し、計画中間点までの増客計画を立てる。5月を「キックオフ月間」として、利用促進を集中的に訴えることを決めた。
「歩くまち・京都」の会合では、環境に優しい生活スタイルへの転換を図るため、家庭や学校の授業などで意識改革を行う「スローライフ京都大作戦」の実施を決定した。成人式や運転免許更新時などの広報も強化する。
由木副市長は会合で「5万人増客は必ずやり遂げる。困難な課題だが、最初から達成できると思われる目標は、目標とはいえない」と話した。

もちろん注目は最後の由木副市長のお言葉ですね。「困難な課題だが、最初から達成できると思われる目標は、目標とはいえない」といったあたりは、当ブログで「5万人って推進本部の名前に付けちゃって大丈夫なのか?」(下記の過去エントリー参照)と指摘したのに対するまるで返答のようでございます。決意がすばらしい。
「たすきがけ」という事情はあるにせよ、国土交通省出身(ただし旧建設省入省らしいですが)の由木氏が地下鉄赤字対策含みで京都市に送り込まれているのはまちがいないでしょう(過去エントリー参照)。「どうせ2、3年で本省にもどるのだからいいや」なんて言わずに、ぜひ性根いれてがんばっていただきたいものです。
もう一点。「5万人増客」と「歩くまち」の推進本部を同時に開くというのも「歩くまち」の推進を増客につなげるという京都市の意図がだんだんはっきりしてきた表れなのではないかと考えています。「歩くまち」は「5万人増客」の下部組織でもいいぐらいなのかもしれません。
(過去エントリー)
5万人ってつけちゃって大丈夫なのか? 京都市営地下鉄増客いまさらながら京都市交通局退場問題について考えてみました副市長は「たすきがけ」