ぼちぼち そこそこ

脱力と諦観でつづるおっさんの日常

さばカレー

50代のわたしが幼いころ、牛肉はたいへん高価なものでした。いちばんのごちそうはすき焼きで、なにか祝い事とかでないと口にできなかったような気がします。

そんな時代というか家庭でしたからカレーに牛肉が入るということもまれでした。

じゃあ、カレーの具はなんだったかというと、缶詰のさばの水煮が入っていました。

わたしはこのさばカレーがあまり好きではありませんでした。子どもはそもそも青魚が苦手だし、煮てあるというのもマイナス要素としてあるのでしょう。

さばの水煮は骨も入っています。ぽろぽろになってるから食べられなくはないのですが、あの食感がいやでした。

カレー自体は好物でしたが、具がさばだとテンション下がったなあ。

さすがに後年になると肉が入るようになりました。うちは父親が鶏肉嫌いだったので、肉はまあ牛肉を使うようになったと思います。

大人になってから一時期、カレー作りにはまっていました。牛、豚、鶏、コンビーフなどいろいろ試してみました。その中で、「むかし、さばカレーを食べさせられたなあ」となつかしく思ってさば缶でカレーをつくってみたことがあります。「さばのカレー煮」と考えれば食べられなくもなかったですが、ご飯にかけるカレーと考えれば、やっぱりおいしいものではありませんでした。よほどのことがなければまたつくることはないと思います。